映画などのブログ

映画評ではなくて感想みたいなものを

『ザ・メニュー』(The Menu)とホラーコメディ(その4)

この作品に関しては、 ・ヒネリがない、ミステリ(mystery=謎)に乏しい。 ・スローヴィクの”自爆テロ”みたいなやり方(文字通り)は好きじゃない。 という意見もあるでしょう。 まあ、この映画はそもそもミステリではない(ホラーではあるが)し、リアリテ…

『ザ・メニュー』(The Menu)とホラーコメディ(その3)

最後の方で、マーゴ(本当の名はエリン)は空腹を訴えて、”チーズバーガー”とフレンチフライを所望します。スローヴィクはこれを自ら作ってマーゴに出します。 マーゴは一口食べると、「持ち帰り」(To go)したいと言い、スローヴィクとスタッフたちがこれ…

『ザ・メニュー』(The Menu)とホラーコメディ(その2)

前回は「12人のゲスト」と書きました。なぜか、その中にスローヴィクのアル中の母親がいました。 実は、本当の”ゲスト”は、窓から外の海の方にいたのです。ダグ・ヴェリックは富裕な個人投資家で、新型コロナ(COVIDー19)で立ち行かなくなった店の所有権を…

『ザ・メニュー』(The Menu)とホラーコメディ(その1)

作品(The Menu) 2022年 上映時間 107分 監督 マーク・マイロッド 制作 アダム・マッケイ 制作国 アメリカ合衆国 製作費 3000万ドル(約41億円?) 興行収入 7960万ドル(約108億円?) この作品には、コメディ・ホラーまたはホラー・コメディ映画(comedy …

『グリーン・ナイト』(The Green Knight)と不自然主人公(その4)

歴史的に見れば、ブリトン人(ケルト系)は、アングロサクソン人のブリテン島への侵入によって劣勢になる(複数のアングロサクソン王国が生まれる)のですから、アーサー王伝説によって、ブリトン人の勇猛果敢さや優位さを称えたところで、歴史がどうなるも…

『グリーン・ナイト』(The Green Knight)と不自然主人公(その3)

14世紀の『ガウェイン卿と緑の騎士』では、主人公はキリスト教の徳に合致するような騎士にふさわしい振舞いをした結果、見事にアーサー王のもとに帰還します。 しかし、本作品のガウェインは、目的地の緑の礼拝堂(the Green Chapel)で緑の騎士からどのよう…

『グリーン・ナイト』(The Green Knight)と不自然主人公(その2)

前に、「不条理小説みたい」と書きましたが、この後のストーリーはロードムービーみたいな展開で進みます。 途中で様々な者に出会う探求の旅ーという感じでしょうか。 主人公ガウェイン自体が「語るべきものをまだ持ってない」騎士見習いに過ぎないのだから…

『グリーン・ナイト』(The Green Knight)と不自然主人公(その1)

作品(The Green Knight) 2021年(日本では2022年公開) 上映時間 130分 監督 デヴィッド・ロウリー 制作国 アメリカ、カナダ 製作費 1500万ドル(約20億円?) 興行収入 2000万ドル(約27億円?) まるで不条理小説みたいな展開である。 アーサー王のクリ…